2021年度

マレーシアの漁業者集落を対象として進められている地域基盤強化プロジェクトの一環として、地域で生産され多くが輸出されているエイ皮に着目し、装飾品への加工や商品化による副収入の増加を目指して、エイ皮を魚革として活用するマニュアル作成を目指しました。鹿児島での試行結果をオンラインミーティングを有効に活用してプロジェクトサイトでも同様の作業を進めてもらい、完成度を高めました。

マレーシアの漁業者集落の一つであるSungai Senbilangを対象として、地域の水産資源や関連施設を有効利用した地域活性化を目的としたエコツーリズムの提案を行いました。COVID19の影響下で実際の渡航が不可能な中、水産局職員や地域関係者とのオンラインミーティングによりまとめ上げました。

2020年度

マレーシアでも水産資源量の減少が進み、水産資源の持続的有効利用が求められています。この中で、地域漁業者らによる資源管理に必要なモニタリング手法として、漁業者らがスマートフォンなどにより簡易に漁獲報告ができるレポートシステムを提案し、マレーシア漁業者の参加による試行をおこない、レポートシステムの有効性について評価しました。

マレーシアの地域沿岸漁業でも都市部との所得格差や漁業者の高齢化が課題となっており、これらの対策として従来とは異なるあらたな漁業の提案や導入も考えられます。これらの活動展開にあたり、新たな漁業をどのような手順で導入していけば良いのかを関連規則の分析とそれに基づくマレーシア水産局職員との討論により考察しました。

2019年度

水産物へのニーズが高いマレーシアではトップダウン型の漁業管理が行われていますが、十分に機能しているとはいえず、地域管理型漁業の推進が求められています。ここでは、地域漁業者の連携強化が必要であり、漁業者らが協力して運用する小型定置網がマレーシア西岸に試験的に導入されています。この漁具の国内での展開が求められていますが、現在の制度では固定漁具の一つである定置網は許可することができないため、定置網の許可制度の制定が求められています。この卒業プロジェクトでは、マレーシアの漁業許可制度をまとめた参考書の分析結果と水産局職員によるレクチャーによる情報をまとめるとともに、プロジェクトサイトにおいて現在の制度の実態を把握し、定置網の許可制度設定に必要な事項を考察しました。

2018年度

経済的に発展し続けているマレーシアでも水産物への国民のニーズは高くなっており、
引き続きとる漁業へも期待され続けています。一方で、漁業者らの所得は他の産業と比較して低水準であり、マレーシア西岸のプロジェクトサイトを中心に、地域の水産物の利活用による地域の基盤向上をめざしたプロジェクトが開始しています。この卒業プロジェクトでは現地での水産物の利活用法の提案に先立ち、マレーシアで普及している水産物の加工品や料理について調査し、日本ならではの利活用法の導入について検討しました。